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オリジナルと機械音痴

とりあえず、予約投稿してる大泥棒は盗まない。の一話を載せてみました。よくある能力者系です。

それと、目次の作り方がいまいちわからず苦戦してます。このど低脳がと思われてしまいそうです。もう思われてそうですけど。オリジナルが十話に到達した頃に本腰を入れる予定です。
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大泥棒は盗まない

 ―――ニテハ・グリーズ。今の世に大きな影響を与えた偉人である。人間に能力を与えたとされる者。それが人類が始めて行われた能力とされる能力。『創造種たる一粒(シード・プログラム)』である。その能力により、人間は能力を得、現代では科学と調和する存在となり、様々な問題が解決された。

 が、メリットだけではない。当然、デメリットもある。悪者が利用しない筈もなく、能力を使った事件ばかりだ。能力と言っても、生まれた時に一つだけ得るだけなのだ。ゆえに、それを上手く利用する事は難しい筈なのだが、能力は生まれた時に性格を判断し、それに適した能力となる。

 つまりは、犯罪の気質がある者は犯罪に特化した能力になり、血の気が高い者は攻撃的な能力になる。それの対策として、能力は生まれてから必ず確認する事を法に記した。病院には一人、能力を知る事が出来る者がいなければ、廃止とされる。なので、能力によっては欲しがられる人材がいるのだ。

 反対に、能力によって人に嫌われ続ける者もいる。これはそんな少年の物語。



(―――机の上に花瓶とか……ありきたりだなぁー)

 二年三組と書かれた教室。その一つの机には花が添えられた花瓶が置かれていた。それを見て、一人の少年が面倒臭そうにため息を吐く。その周りの生徒は笑みを浮かべ、ひそひそと愚痴る。そう、少年は能力を知られてしまう制度により、皆から虐められてしまった被害者である。

 彼の能力は盗む事に特化した能力だった。

 少年、旗澄(はたずみ)要(かなめ)は生まれながらにしての大泥棒である。彼の能力、『大泥棒の七つ道具(セブンスツール)』は盗む為の七つ道具を出現させる能力であり、この世の中には不必要かつ、嫌われやすい能力なのだ。生まれながらにしての泥棒―――犯罪者としての素質がある。そんなもの、唯のマイナス要素に過ぎない。

 昔なら隠せたかもしれないが、今では能力は全て筒抜けである。が、性格は一般家庭に生まれた平凡な男だったので、問題視されず、差別されない。だが、能力は、自分の個人情報と共に見られてしまう。だから、彼は嫌われているのだ。誰だって泥棒の素質を持つ人間と関わりたくないだろう。

 つまり、一生嫌われる人生を歩まなくてはならない。

 彼はボロボロの椅子に座り、切り取られた花を見る。少し捻くれてしまった彼には、切られた花が死んでいるようにしか見えない。周りの人間が常日頃自分の愚痴を言っているようにしか思えない。自虐的で被害妄想気味の彼の目は、濁っていた。

(いっその事、狂いに狂うのもありだと思う)

 そろそろ精神が折れそうな彼は卑屈的にそう思ってしまう。このまま嫌われる人生なら、最後ぐらい、期待に答えて狂ってしまっても、仕方がない。だが、踏み出せない。彼の性格は悪人に向いておらず、能力に適していない。

(―――どうでもいいや)

 彼は目を逸らすだけの人々を眺めながら、机に寝そべるのだった。



 彼は影で虐められている。だから、誰が首謀者で、どこまでが敵なのかすらわからない。全員が全員、彼を嫌っているのかもしれないし、極一部だけが嫌っているのかもしれない。想像が付かないのだ。

 日は沈みかけ、空は中途半端な朱が蔓延っている。辺りには、雲が流れ込み、明るかった空が濁り始める。まるで、要のように、少しずつ少しずつ黒くなっていく。彼には友人があまりいない。彼が話しかけても誰もうんともすんとも言わないからだ。虐められているのも影であり、一見すると、唯、話す相手がいないように見える。それだけだ。

「―――ご主人の敵は自分じゃない。そう、周りの人間だ。なのに、ご主人はずっと自分を嫌う。それが私には理解出来ないよ」

 一匹の黒い猫が、そう言った。

「まあ、他人の気持ちなんて理解出来るわけないしな。じょーしき的に」

 彼の悪い癖が出る。笑ってはいるものの、目は笑っておらず、疲れきっていた。そんな彼の唯一の友人が、この黒い猫である。この猫、シャノアールは要の能力の一つ、『手を借りる』能力であり、実力も相当なものである。性別はメス。そして、人型にも成れる。手を借りるゆえ、色々な形に変化する事が出来るのだ。

「……やっぱり人気者になる為にはちゃんと参加しないと―――」「嫌だ。どうせ場違いだのなんだの言われて晒し者にされるだけだ。僕みたいな人間は人様の迷惑にならないよう配慮しながら生きるのがベストだよ」

 要はふんっ、とそっぽを向くと、シャノアールが塀から降り、人型になる。その真っ黒な毛並みが綺麗な黒髪に変わり、モデルかと思ってしまうような美人が現れた。その美人こそが、シャノアール自身である。その黒髪が風に靡き、要の心臓が少し高鳴る。

「じゃあさ、私と一緒に出ればいいんじゃないかな? 確か、一般参加型の大会もあったし」

 彼女が言うそれは、月に一度行われる競い合いである。つまりは、学校一の実力者を決める戦いの事だ。その大会にも種類があり、生徒のみで、個人の部と団体の部の大会と、一般の個人の部と団体の部がある。生徒の部は文字通り生徒しか出られない大会。一般の部は生徒でも誰でも参加可能。

 だが、生徒の部の場合、優勝すると他校の生徒とトーナメント戦が行われるのだ。一般の部との大きな違いは正しく、それだろう。

「美人と一緒にタッグ組みやがってと嫉妬されるかもしれないしな……」
「にゃっ!?」
「……クールキャラがすぐ崩壊するなぁ」

 顔を真っ赤にして恥ずかしそうにしているシャノアールを微笑ましく見ている要だった。



 太陽がまだ上がりきっておらず、不安定な天候。絵の具が入り混じったバケツに白い絵の具を流し込んだような空。曖昧な光加減に半々な電光灯。人数も少なく、寝静まっている。そんな時間帯に歩く少年がいた。勿論、要である。

 要はこの時間帯が好きなのだ。誰にも見られず、知られない。そんな時間が彼の楽しみである。しかも、人がいたとしても、誰も彼に気付く事はないだろう。何故なら、彼が能力を使って肉眼では気付かないようにしているからである。彼の能力の一つ、『手を変える』能力である布を被る事によって気付かれないのだ。

 この能力は被せたモノを何かに変える能力であり、要は自分を透明にしたのだ。ただし、布を被っている間だけで、落ちたりすると、効果も無くなってしまう代物だ。

 ここで補足すると、被っているの定義は案外優しく、少しでもそのモノに触れるだけで発動する。即ち、手に巻き付けるだけでもいいのだ。要も今現在、手に巻き付けて自由に歩いている。

―――能力はその程度だ。多少の規則など屁理屈で塗り替えられる。規則は自分で作った足枷にしかなっておらず、妥協する事が出来る。だが、あくまで多少の差異であり、大きく歪ませる事は不可能だ。そう思い込むからこその能力である。

 さらに、要の能力は七通りある為か、規則が大まかであり、使い勝手がいい。なのに能力は高性能だ。万能であるが、その分嫌われる。使い勝手がいいのは邪の道に片足を突っ込んでいるからだ。正々堂々を貫き通すから使い勝手が悪くなるだけで、これといって普通の能力。目を真っ赤にさせる事ではない。

(―――ん? こんな時間に学生?)

 ふと、要の目に付いたのは一人の少女だった。現代ではありえないような髪の色をした、人の目を奪うような容姿をした少女。こっちの姿は見えていない筈なのに、明らかにこちらを直視している。

(相手の場所が探知出来る能力―――だけど、どうして僕を……思い過ごしの可能性も否めないしな……)

 動くにも動けず、唯、自分の非を探す要。その姿は思い違いである可能性が高いのに、蛇に睨まれた蛙。追い詰められた泥棒のようであり、今の状況は彼に定められた使命であり、運命なのかもしれない。が、要は行動に移す。

(気のせいでありますように、っと)

 泥棒の才能を持つ彼は足が速い。そして、足音を鳴らす事なく動ける。すぐさま彼は猫のように右隣の塀に飛び移った。動作に無駄はなく、多少の音は犬の鳴き声にかき消された。そして、彼の予想通り、少女は彼が元いた場所を見ていた。つまり、要の思い過ごしだった。彼は安心して一息吐く。そして少し自虐。どうして自分はここまで臆病なのだと、考え、改めて少女を見ると、少女はいなかった。

「え……っ!?」

 要は思わず声を漏らしてしまった。それと同時に両手に違和感を感じ、見ると発条の付いた歯型の玩具が噛み付いていた。カタカタと動くのではなく、獲物を逃がすまいと噛み付き、簡単に外れそうになかった。要は急いで自らの能力で振り解こうとするも、遅すぎた。

「泥棒の才能があるとはいえ、かくれんぼの才能はないようですね。まあ、隠れるのも泥棒の才能に含まれるのかといえば、含まれそうですけど、どうやらそれはないようで、安心しました。見つかったとなればこっちのもんです」

 少女の声はするものの、姿形は見えず、要は戸惑いを隠せない。その時、背後からの視線を感じ、要は即座に振り向いた。すると、人と同じサイズの歯型の玩具が彼の背後に突っ立っており、ドアが開くような音がしたかと思えば、その歯型の玩具の口が開いた。

 中には先ほどの少女がおり、二三個の歯型の玩具を持っていた。

「……君は歯医者の才能か何か? 僕の能力よりも汎用性高いんじゃないかな……」
「才能……『こっち』は才能の定義じゃないのでお答えし難いですねー。ちなみに私はこれを『歯に噛み症候群(ハニカミシンドローム)』と呼んでます」
「そのまんまじゃねえか!」

 思わずつっこんでしまった要は悪くないだろう。現に恥ずかしいものがある。そんな要の厳しい言葉に少女の顔が赤くなり、頬を膨らます。

「何と失礼なお方でしょう! こんなに失礼なお方は一週間ぶりですっ」
「一週間ぶりなんだ……」

 さっきまでの冷徹そうなキャラとは違い、子供のような素振りを見せる彼女に一安心するも、状況は変わらず、ピンチである。

「まあ、この話は後にしましょう。私は貴方を連れて行く為に来ただけですし、向こうで話しましょう向こうで」

 要は巨大な歯型の玩具に喰われた。

はじめまして

はじめましての方は始めまして。蒲凹と申す者です。小説家になろう様、にじファン様で小説を書かせてもらっています。拙く稚拙な文章ですが、どうぞ、よろしくお願いします。

※蒲鉾が凹むと書いて蒲凹です。どうか覚えてやってください。
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